道の駅庄和のツバメの巣で行っている温度駅調査が、今朝の産経新聞埼玉版に掲載されました。ネットにも出ていますので、よろしければ、ご覧下さい。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120530/stm12053022080009-n1.htm
ツバメと気候変動との関係調査、「道の駅庄和」で実施 NPOと県環境科学国際センター 野鳥の分布や繁殖状況などの調査を行っているNPO法人「バードリサーチ」(東京都 府中市)と埼玉県環境科学国際センターは4月から、春日部市上柳の「道の駅庄和」で、 超小型温度計を使ったツバメと気候変動との関係調査を実施している。ツバメは全国各地 で見ることができる野鳥だが、自然環境の変化などに伴って年々その数が減少。この研究 によって、地球温暖化と繁殖成功率の関係などが解明できるかもしれないという。 春になると、子育てのために東南アジアから日本へ渡ってくるツバメ。バードリサーチ では平成17年からツバメの飛来時期を調査したところ、飛来のピークが3月中旬~4月 中旬と、年によって約1カ月も異なることが判明。今年の飛来ピークは3月下旬で、平年 並みだった。 これまでのツバメの調査は、人が目で見た結果を記録してきた。だが、ツバメの繁殖期 間は4月~8月上旬までと長く、その様子を記録し続けるのは困難だった。このため、 バードリサーチなどではメモリー機能がある超小型自動温度計(サーモクロンG)を巣の 底部に埋め込み、温度変化によって繁殖状況を分析することにした。 道の駅庄和には毎年、多くのツバメが飛来し、集団で巣を作る。今年は4月上旬時点で 22個の巣が確認されたことから、これらの巣と新たに設置した人工の巣3個の計25個 と、外気温測定のための1カ所の計26カ所に超小型自動温度計を設置した。 バードリサーチによると、一般的に鳥の抱卵時の巣の温度は34度前後で、孵化(ふか) すると、2度ほど下がる。また、ヒナが巣立つと外気温と同じ温度になる。このため、 「子育てが終わってツバメが南へ旅立つ8月になってから温度計を回収すれば、抱卵、孵 化、巣立ち日を正確に知ることができる」という。 ヨーロッパでの研究では、地球温暖化が渡り鳥に与える影響は大きいとされる。餌とな る虫の発生が早まり、大量発生が終わった後に鳥が渡ってきて繁殖成功率が下がっている からだ。日本国内で観察されている野鳥は約600種。その半分以上が渡り鳥で、地球温 暖化によるこれらの野鳥への影響も、関係者の間で懸念されている。 バードリサーチの神山和夫さんは「ツバメはその年の気温によって渡りの時期を調整 し、温暖化の影響は受けないのではないかという見方がある。だが、虫の発生時期がそれ 以上にずれると、大きな影響を受ける。長期的にモニタリングすることで、ツバメが本当 に温暖化に対応できるのかどうかなどを解明したい」と話している。