人工巣ツバメ: ツバオが鏡に慣れるまで

ツバ子は早々と鏡に慣れたようですが、ツバオは慣れるまで丸 3 日かかりました。
性格の違いなのか、抱卵で忙しいメスと暇なオスの違いなのか。

●2012.06.22 (飛来 83 日目, 巣立ち 14 日目, 産卵 3 日目, 抱卵 0 日目)

設置初日です。遭遇初期の状況は前回の日記に書きました。

08:42 ツバ子は普通に抱卵中です。ツバオが止まり木から飛び立とうとしますが、どうも腰砕けのようで巣の下に落ちてしまいます。(前回の日記 05:14 の威嚇鳴きと同じような飛び方です。)

08:42 ツバオが再挑戦しますが、
「ハラホロヒレハレ~~~~」
と鳴きながらまた落ちてしまいます。
ツバ子「なにやってんの」

●2012.06.23 (飛来 84 日目, 巣立ち 15 日目, 産卵 4 日目, 抱卵 1 日目)

10:47 ツバ子が抱卵中の巣にツバオが止まります。珍しい光景です。ツバオがツバ子に話しかけて怒られてしまいます。
ツバ子「仕事してよ~!!」
でも鏡を見続けます。

14:56 ツバ子の留守をツバオが守ります。ちゃんと巣の中をチェックして……でもやっぱり鏡が気になります。

●2012.06.24 (飛来 85 日目, 巣立ち 16 日目, 産卵 5 日目, 抱卵 2 日目)

06:27 ツバ子抱卵中、またツバオがオジャマします。
ツバ子「ちょっと~~!!」

13:23 ツバオが留守番してたらツバ子が帰ってきます。通常はバトンリレーよろしく入れ替わるのですが、ツバオがなかなかどきません。
ツバ子「はいどいてーー(ずかずか)」
ツバオ「ちょちょちょちょちょっと待ってー」

●2012.06.25 (飛来 86 日目, 巣立ち 17 日目, 産卵 6 日目, 抱卵 3 日目)

16:49 ようやく慣れたらしく、まじめに留守番しています。

●ツバメが対象ではありませんが、
鳥に関するよくある誤解と被害対策(PDF)
という研究を見つけました。
鳥は一般に賢いようで、環境変化にはひとまず警戒するが、時間が経つと慣れるとのことです。

カラス・スズメ対策としても参考になる部分がありますので以下に抜粋引用します。

2.鳥害対策がなぜ難しいか
◆鳥は賢い
→ ちょっとした変化に警戒するが、単なる脅しはすぐに見抜き、慣れてしまう。
◆鳥はしつこい
→ 毎日餌を必要とするため、いい餌場には執着する。
◆鳥は行動範囲が広い
→ 10kmくらいは簡単に移動する。群れで生活し、安全かどうか、食物があるかどうかを他の鳥の様子から学習する。

3.鳥害・鳥に関してよくある誤解
◆本能的にいやがる刺激を使えば鳥は慣れない
→ タカやヘビに対する忌避反応はたぶん遺伝的ないしは本能的だが、偽物はやがて見破る。
◆鳥は人よりも目や耳がいい
→ 普通の鳥は視覚も聴覚もせいぜい人と同程度。
◆鳥が嫌う色がある
→ 鳥は色を識別できるが、「本能的に」嫌う色はない。
◆設置したら被害が減ったので有効な防鳥対策である
→ どんな防鳥対策でも、鳥にとっては「怪しい」ため、一時的には他の場所や何も対策をしていない圃場に行く。時間がたてば戻ってくることを見越して評価するべき。

【参考:鳥の五感】
(1)視覚
◆ものを細かく見る能力(分解能)―網膜上にある感覚細胞の数で決まる。鳥の方が感覚細胞の密度が高いが、小鳥の目は小さいので分解能はヒトよりも劣る。
◆その他―鳥は自身が高速で飛ぶので、優れた動体視力を有していると考えられる。また、ごく近距離から無限遠までピントをすばやく合わせることができる。夜行性の鳥を除いて暗がりでの鳥の視力はよくないが、ヒトと同程度であって、いわゆる「鳥目」ではない。
(2)聴覚
鳥は音を集める部分(イヌやウサギのいわゆる「耳」にあたる部分)を持たず、内部構造も哺乳類より単純なので、音には意外ににぶく、ヒトよりもやや劣る(図2)。ヒトに聞こえない2 万ヘルツ以上の音を超音波というが、鳥に超音波は聞こえない。

4.鳥害防止技術の分類
A.直接的遮断
防鳥網で作物を覆うのは、最も確実な被害防止策であり、小規模栽培や果樹栽培では基本技術といえる。

B.物理的飛来妨害
鳥の羽ばたきの邪魔になるように、1~2m 間隔で1~2m 程度の高さにテグスやひもを張り巡らせば、カラスやカモのように大形の鳥にはある程度効果がある。ただし、絶対的な遮断ではないので、作物の種類や周辺の食物条件によっては侵入されることもある。

C.追い払い器具類
鳥の警戒心を利用して、聴覚刺激や視覚刺激によって鳥を追い払おうというもの。鳥にとって実害をもたらさないため、慣れが生じやすい点が大きな問題。

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人工巣ツバメ: ツバオが鏡に慣れるまで への4件のコメント

  1. あきこ より:

    ifさん、こんばんは☆
    ツバオ君、鏡ガン見していますね~(^^; 鏡に喋りかけているようにも
    見えますが、メスちゃんは一貫して「なにやってんの」と冷静で
    笑ってしまいます!
    3つ目の動画の一番始めの方に入っている声、フジ男が出していた
    「ピヨピヨ鳴き」の声に似ていました(どうでもよいですが‥)
    鳥は偽物を見破る‥そういえばうちのマンションのゴミ捨て場にはビニールの
    偽カラスが吊ってあった時期がありましたが‥すぐになくなりました。
    ゴミの日のたび我が物顔でバイキングやっていますよ(^^;

    • if より:

      あきこさんコメントありがとうございます。
      前回は安全確認で株を上げたツバオでしたが、その後はどうにもジャマしてばかりで・・・
      (ツバオの名誉のために書いておくと、抱卵中いつもは止まり木で付き添ったり、電線で警戒してたりするマジメ君なんですよ!)

      鏡に話しかけてるように見えますよね。
      3番目のピヨピヨ鳴きはツバオでしょうか?
      ステレオマイクのカメラを注文したので、いずれ付けてみようと思います。

  2. ツバ友W より:

    鏡の中に写ったツバメは別のツバメと認識されると思うのでツバメにとっては落ち着かないでしょうね。でも慣れたのですか?
    以前NHKが鏡を使った撮影を試みたが失敗したと聞いたことがあります。巣からの視点で自分の姿が写らない角度にうまく調整できると良いかもしれませんが。

    • if より:

      ツバ友Wさんコメントありがとうございます。
      ツバ子は初期の段階からほとんど無視しています。
      抱卵中のメスは肝が座っているようなところがありますし、ツバ子も昨年今年と 4 回目の営巣なので、新入りに比べたら神経質ではないと思います。
      ツバオも最近は殆ど無視していますが、時々見入っていることもあるようです。
      こちらはやはり縄張りを守るという本能があるからかなあとも思います。

      NHK さんも抱卵期を狙えば可能性はあったかもしれませんね。

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